不動産を家族信託で管理するメリットと手続きの方法
2020/04/21
高齢化社会が進む日本では、年を取って認知症になったときに、自分の財産をどう管理すればよいのか分からず悩んでいる方が増えています。
これまでは後見人制度を利用する方が多かったのですが、近年「家族信託」と呼ばれる制度が注目され始めました。
この記事では、将来認知症などになったときのために備えて利用できる、「家族信託」の制度をご紹介します。
不動産を家族信託で管理するメリットとは何か
家族信託は、簡単に言うと「自分の持っている不動産などの財産を、信頼できる家族に預けて管理してもらう」制度です。
管理してもらうことにより利益が発生した場合には、その利益は財産を預けた人と財産を預かる人のどちらが受け取ってもよいとされています。
たとえば子どもが親の不動産を預かり、それを運用して出た利益を、親が年金のように受け取ることも可能です。
そんな家族信託の大きなメリットは、委託した人が認知症などになり判断能力を失ったときでも、資産の運用に本人の意思確認が必要とされないため、資産の管理や処分に支障が出ないことでしょう。
また後見人制度の場合だと、本人にメリットがある財産運用しかできない縛りがありますが、家族信託にはそのような縛りがありません。
信託契約書に書かれた内容に反してさえいなければ、比較的自由な資産運用ができるため、不動産の買い換えなどが可能なことも特徴です。
さらに家族信託は、遺言のように財産の継承者を指定できるうえ、その次以降の継承者まで決めておけるなど、さまざまなメリットがあります。
不動産を家族信託で管理するための手続きについて
それでは家族信託の制度を利用するには、どういった手続きが必要なのでしょうか。
まず1つ目が、財産を預ける「委託者」と財産を預かる「受託者」が契約を結ぶ「信託契約」です。
預ける財産の範囲やその管理方法、利益を受け取る受益者を誰にするのかなど、細かな内容を決めて契約書を交わします。
2つ目の方法は「遺言による信託」で、通常の遺言と同じく遺言書で行います。
遺言によって間違いなく信託するためには、公正証書遺言を作成するのがよいでしょう。
3つ目の「信託宣言」は、自分自身を受託者として手続きを行う方法です。
これは「自己信託」とも言われる方法で、信託した不動産などの財産を、ほかの財産と分離できる利点があります。
ただし法律上の制限が多いので、注意が必要です。
まとめ
不動産などの財産を家族に預けて管理してもらう「家族信託」は、後見人制度よりも自由に資産管理を行えるのが特徴です。
検討する場合には、相続などに詳しい専門家に相談することをおすすめします。
大阪府門真市で不動産相続についてお悩みの方は、LINES不動産販売までぜひお問い合わせください。